奥歯の奥にうずくような違和感を覚えたとき、それは親知らずが生えてくる前触れかもしれません。親知らずは10代後半から20代にかけて生えることが多い歯ですが、まったく生えない人もいます。生えてくる位置や向きにより、痛みや腫れなどのトラブルを引き起こすこともあります。違和感を放置していると、思わぬ影響が出る場合もあるため、注意が必要です。今回は、親知らずが生えるタイミングやその兆候、違和感を覚えたときに確認したい症状、そしてそもそも親知らずが「生えない人」がいる理由について解説します。
1. 親知らずが生え始めるタイミングとその兆候
親知らずは「第三大臼歯」と呼ばれ、永久歯の中でもっとも遅く生えてくる奥歯です。生え始める時期は一般的に17歳から25歳頃とされていますが、早い人では10代前半、遅い場合は30代以降に生えてくることもあります。親知らずが歯ぐきの中で動き始めると、いつもとは違う感覚を覚えることがあります。具体的には、次のような症状が現れることがあります。
①歯ぐきの奥にうずくような感覚が出る
歯ぐきの奥深くから、じんわりとした重だるさや、鈍い痛みを生じることがあります。強い痛みではないものの、気になる感覚が続くことがあります。
②食事中に奥の方に違和感がある
食事中に奥歯のさらに奥が押されるように感じたり、軽い圧力がかかったような感覚があったりすることがあります。かみしめた際にズキッとする瞬間的な痛みが出るケースもあります。
③歯ぐきが盛り上がる、またはあごの奥に圧迫感がある
親知らずの位置にあたる歯ぐきが少しふくらみ、軽く腫れているような感覚が出ることがあります。その周辺に鈍い圧迫感が広がると、頬の内側やあごの奥に違和感を覚えることもあります。
④奥歯の後方に物が詰まったような感覚がある
親知らずが歯ぐきの中で前方の歯を押すように動いていると、奥歯の裏側に詰まりのような異物感が出る場合があります。何かがはさまっているような不快感を覚える人もいます。
⑤頬の内側や舌に軽く当たる
親知らずの動きにより、口の中の空間スペースが変化すると、頬の内側が歯に当たりやすくなったり、舌が後方に触れたりする感覚が増えることがあります。
これらの変化は、親知らずが歯ぐきの中で動き始めている初期の兆候としてよく見られます。まだ歯が生えていなくても、違和感が数日から数週間続く場合は、歯医者でのレントゲン検査などで確認しましょう。
2. 親知らずに違和感を感じたときにチェックしたい症状
親知らずが動き始めたとき、痛みや腫れなどの症状が出る場合があります。初期の違和感を見逃さず、必要に応じて早めに対応することで、トラブルの悪化を防ぐことにもつながります。以下のような症状が見られた場合は、歯医者での確認が必要です。
①歯ぐきの腫れや赤みがある
親知らずの周囲の歯ぐきが腫れて赤くなっている場合は、炎症が起きている可能性があります。とくに、親知らずが歯ぐきの中に半分埋まったままの状態では、汚れがたまりやすく、腫れを繰り返す傾向があります。
②奥歯の奥でしみる感覚や痛みがある
冷たいものや熱いものを飲食した際に、親知らずのあたりでしみるような痛みがある場合、歯が露出していたり、周囲にむし歯や炎症が起きている可能性があります。
③口が開けにくくなる、あごの動きに違和感がある
炎症が広がると、あごの筋肉や関節に影響を及ぼすことがあります。その結果、口が大きく開かなくなったり、開閉時に痛みを感じることもあります。こうした状態を「智歯周囲炎」と呼び、放置すると悪化するおそれがあります。
④噛み合わせに違和感がある
親知らずが斜めや横向きに生えると、隣の歯を押すようにして動き、歯並び全体に影響することがあります。上下の歯の当たり方が変わると、全体的に噛みづらくなることがあります。
⑤あごの下や耳の後ろが腫れることがある
炎症が強くなると、顎の下や耳の後ろにあるリンパ節が腫れることがあります。あわせて微熱やだるさなど、全身の不調が出ることもあり、こうした場合は早めの受診が必要です。
これらの症状は、親知らずの生え方や位置に、何らかの問題があるサインかもしれません。放置せず、早めに歯医者に相談することで、炎症や抜歯などの処置を最小限に抑えられる可能性もあります。
3. 親知らずが生えない人もいる?
「親知らずが生えてこないまま大人になった」という人も少なくありません。実は、親知らずは誰にでも生えるわけではなく、そもそも存在しないというケースもあります。
①親知らずが先天的に存在しない場合がある
もともと親知らずの歯の芽(歯胚)が作られていないと、レントゲンを撮っても影が映らず、将来的にも生えてくることはありません。このような「先天性欠如」は特に珍しいことではなく、4本のうち1本〜数本、またはすべて欠如している場合もあります。
②最近では親知らずが生えない人が増えている
現代人はあごの骨格が小さくなってきたことや、食生活の変化などが影響し、親知らずが生えるスペースが確保されにくくなっています。そのため、歯が存在しないまま終わる人や、完全に埋まったまま出てこない人も多いです。
③生えなくても生活に支障はない
親知らずがなくても、日常生活に大きな影響はありません。むしろ、生え方によってトラブルを起こすことがあるため、生えてこないことでメリットになる場合もあります。
④埋まったままの親知らずも存在することがある
生えないのではなく、歯ぐきや骨の中に完全に埋まっているケースもあります。この状態を「埋伏智歯」といいます。問題がなければ経過観察となりますが、周囲に炎症が出た場合には抜歯を検討することもあります。
⑤歯医者でのレントゲン検査で確認できる
親知らずがあるかどうか、これから生えてくる可能性があるかどうかは、レントゲン検査で確認できます。痛みや違和感がある場合や、進学や就職などで環境が変わる前には、あらかじめ歯医者でチェックしておきましょう。
親知らずが生えるかどうか、あるいは何本あるのかは個人差があります。親知らずの状態が気になる場合は、歯医者で一度確認を受けておくと、今後の対応を検討しやすくなります。
4. 和歌山県岩出市の歯医者 はたなか歯科クリニックの口腔外科・親知らず抜歯治療
和歌山県岩出市の歯医者 はたなか歯科クリニックでは、歯科医療を通じて地域の方々の健康に少しでも貢献し、和歌山県岩出市の皆さんのかかりつけの歯医者になることを目指し口腔外科(親知らず抜歯や顎関節症治療・インプラント治療など)を実施しています。
【岩出市の歯医者 はたなか歯科クリニックの口腔外科治療】
➀大学病院で培った経験豊富な院長が行う専門的な口腔外科治療
院長は和歌山県立医科大学附属病院・歯科口腔外科での勤務経験があり、口腔外科領域の診療経験を活かした治療を行っています。親知らずの抜歯や顎関節症、のう胞・腫瘍への対応など、専門性の高い症例にも対応できる体制が整っており、重症例は大学病院等とのスムーズな連携も可能です。
➁親知らずの抜歯からのう胞・腫瘍まで幅広い症例に対応
顎関節症の保存療法から、口腔粘膜疾患のレーザー治療、金属アレルギーへのメタルフリー対応、消炎・切開処置まで、外科的対応が必要な多岐にわたるお口のトラブルを院内で診療。患者さんの症状や生活背景に応じた柔軟な治療提案が可能です。
➂顎関節症や口腔粘膜疾患にも配慮した、痛みに配慮した低侵襲治療
レーザー治療の導入や、マウスピース療法・生活習慣指導などの保存的治療にも注力。なるべく身体的・精神的な負担を抑えた治療を大切にしており、初期段階での早期対応による回復促進と再発防止に力を入れています。
▼和歌山県岩出市の歯医者・歯科 はたなか歯科クリニックの口腔外科治療はこちら
和歌山県岩出市周辺で親知らず抜歯や顎関節症治療の歯医者・歯科をお探しの方は、はたなか歯科クリニックまでご相談ください。
まとめ
親知らずはすべての人に生えるわけではなく、生え方や本数、生える時期にも個人差があります。歯ぐきの奥の圧迫感などが出た場合、親知らずが動き始めているサインかもしれません。腫れや痛みなどの症状が強くなる前に、歯医者での確認を受けることで、抜歯の必要性や今後の対応を検討しやすくなることがあります。和歌山県岩出市周辺で親知らずが気になる方は、はたなか歯科クリニックまでご相談ください。
監修
はたなか歯科クリニック 院長 畑中 昭彦
経歴
1976年11月 和歌山県和歌山市出身
2001年3月 朝日大学歯学部 卒業
2001年4月 和歌山県立医科大学附属病院 歯科口腔外科 勤務(研修医期間を含む)
2004年4月 日本赤十字社和歌山医療センター 歯科口腔外科 勤務
2006年1月 はたなか歯科クリニック 開院
2023年3月 歯学博士(岩手医科大学医療工学講座)
2024年5月 和歌山県立医科大学歯科口腔外科学講座博士研究員
所属学会・スタディーグループ
日本口腔外科学会(2001年より)
日本口腔インプラント学会(2003年より)
日本抗加齢医学会
日本臨床歯科CADCAM学会
日本歯科理工学会
日本接着歯学会
岩手医科大学医療工学講座研究生
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