親知らずは20歳前後から奥歯のさらに奥に生えてくる永久歯で、正式には「第三大臼歯」と呼ばれます。多くの場合、顎のスペースが不足しており、まっすぐに生えにくいことが特徴です。そのため、生える前や生えている途中に痛みや腫れを感じることがあります。こうした症状は「親知らずが生えるサイン」であることが多く、放置すると噛み合わせの乱れやむし歯、歯ぐきの炎症につながることもあります。今回は、親知らずが生える兆候や痛みの特徴、歯医者での対処法について、和歌山県岩出市の歯医者 はたなか歯科クリニックが解説します。
1. 親知らずが生える兆候とは?
親知らずが生えるタイミングは個人差がありますが、多くは10代後半から20代前半にかけてです。以下のような変化がみられる場合は、親知らずが生え始めているサインかもしれません。
①奥の歯ぐきが腫れぼったく感じ
奥歯のさらに奥に違和感が出るのは、歯ぐきの下で親知らずが動き始めている可能性があります。歯ぐきが押し上げられることで軽い腫れや圧迫感が現れることがあります。
②奥歯の奥に痛みやズキズキした感覚がある
痛みが周期的に出たり、噛むと鈍い痛みを感じることがあります。これは歯ぐきの下で歯が少しずつ移動しているためです。
③口を開けにくくなる
親知らずが斜めに生えていると、筋肉や顎関節に負担がかかり、口が開きにくくなることがあります。
④奥の歯ぐきから出血や膿が出る
歯ぐきの一部が炎症を起こし、細菌感染によって「智歯周囲炎」と呼ばれる状態になることがあります。放置すると腫れや痛みが強くなるため注意が必要です。
⑤頬の内側を噛みやすくなる
親知らずが外側に傾いて生えると、頬の内側を繰り返し噛んでしまうことがあります。傷ができると口内炎や炎症の原因になることもあります。
親知らずの兆候は一見すると小さな変化でも、放置すると炎症や噛み合わせの乱れを招くことがあります。違和感を覚えた段階で歯医者へ相談するようにしましょう。
2. 親知らずが痛むのはなぜ?よくある原因と放置のリスク
親知らずの痛みは、単に「歯が生えてくる」ことが原因ではなく、周囲の歯ぐきや骨、隣の歯に負担がかかることで起こります。主な原因には、次のようなものがあります。
①歯ぐきが炎症を起こしている
親知らずの一部が歯ぐきに覆われている場合、食べかすや細菌が入り込みやすくなります。その結果、歯ぐきが腫れて痛みを伴う「智歯周囲炎」を起こしやすくなります。
②隣の歯を押している
スペースが足りずに斜めに生えてくると、隣の歯に強い圧力がかかります。この状態が続くと、隣の歯の根や骨に炎症を起こすことがあります。
③むし歯や歯周病の発生
親知らずは奥にあるため、歯ブラシが届きにくい位置です。磨き残しが続くと、むし歯や歯ぐきの病気が進行しやすくなります。特に、放置すると、手前の奥歯にまでむし歯が及ぶこともあります。
④膿がたまる・顔が腫れる
炎症が進行すると、歯ぐきの中に膿がたまり、顎や頬まで腫れることもあります。この段階では痛みが強く、発熱を伴う場合もあるため、早めの治療が必要です。
⑤顎の関節や頭痛への影響
片側だけで噛む癖がついたり、炎症によって顎に負担がかかると、顎関節の痛みや頭痛、肩こりにつながることもあります。
親知らずによる痛みを放置すると、むし歯や炎症だけでなく、噛み合わせや全身の不調に発展する場合があります。違和感や腫れを感じたら、早めに歯医者で原因を確認し、適切な治療を受けることが大切です。
3. 親知らずが痛むときの歯医者での対処法
親知らずの痛みは自然に治まることもありますが、再発や悪化を防ぐためには歯医者での処置が欠かせません。症状や状態に応じて、次のような対応が行われます。
①原因の特定とレントゲン検査
まず、親知らずの生え方や炎症の程度を確認するために、レントゲン撮影を行います。歯ぐきの下で横向きに埋まっている「埋伏智歯(まいふくちし)」の場合、神経や骨との位置関係を確認し、治療方針を決定します。
②炎症や痛みを抑える処置
腫れや強い痛みがあるときは、抗菌薬や消炎鎮痛薬を使用して炎症を抑えます。膿がたまっている場合には、切開して排膿を行うこともあります。
③親知らずの抜歯
炎症を繰り返すケースや、隣の歯を圧迫してトラブルを起こしている場合には、抜歯が選択されることがあります。特に横向きや半埋伏の親知らずは、将来的なリスクを避けるためにも早期の抜歯が推奨されます。
④抜歯後のケアと注意点
抜歯後は、止血や腫れ防止のために数日間の安静が推奨されます。うがいのしすぎや喫煙・飲酒は傷の治りを遅らせる原因になるため控えましょう。医師の指示に従って、清潔な状態を保ちましょう。
➄経過観察と定期チェック
抜歯後は経過をチェックし、歯ぐきや骨の回復を確認します。必要に応じてクリーニングやブラッシング指導を受けましょう。親知らずを残す場合でも、磨き残しを防ぐために定期的な検診が重要です。
親知らずの痛みは一時的に和らいでも、原因を取り除かなければ再発することがあります。早めに歯医者で検査・治療を受けることが、将来のトラブルを防ぐ第一歩です。
4. 和歌山県岩出市の歯医者 はたなか歯科クリニックの口腔外科・親知らず抜歯治療
和歌山県岩出市の歯医者 はたなか歯科クリニックでは、歯科医療を通じて地域の方々の健康に少しでも貢献し、和歌山県岩出市の皆さんのかかりつけの歯医者になることを目指しており、口腔外科(親知らず抜歯や顎関節症治療・インプラント治療など)を実施しています。
【岩出市の歯医者 はたなか歯科クリニックの口腔外科治療】
➀大学病院で培った経験豊富な院長が行う専門的な口腔外科治療
院長は和歌山県立医科大学附属病院・歯科口腔外科での勤務経験があり、口腔外科領域の診療経験を活かした治療を行っています。親知らずの抜歯や顎関節症、のう胞・腫瘍への対応など、専門性の高い症例にも対応できる体制が整っており、重症例は大学病院等とのスムーズな連携も可能です。
➁親知らずの抜歯からのう胞・腫瘍まで幅広い症例に対応
顎関節症の保存療法から、口腔粘膜疾患のレーザー治療、金属アレルギーへのメタルフリー対応、消炎・切開処置まで、外科的対応が必要な多岐にわたるお口のトラブルを院内で診療しています。患者さんの症状や生活背景に応じた柔軟な治療提案が可能です。
➂顎関節症や口腔粘膜疾患にも配慮した、痛みにやさしい低侵襲治療
レーザー治療の導入や、マウスピース療法・生活習慣指導などの保存的治療にも注力しています。なるべく身体的・精神的な負担を抑えた治療を大切にしており、初期段階での早期対応による回復促進と再発防止に力を入れています。
▼和歌山県岩出市の歯医者・歯科 はたなか歯科クリニックの口腔外科治療はこちら
和歌山県岩出市周辺で親知らず抜歯や顎関節症治療を行う歯医者・歯科をお探しの方は、はたなか歯科クリニックまでご相談ください。
まとめ
親知らずは生える位置や向きによって、痛みや腫れ、炎症を繰り返す可能性がある歯です。生える前兆として、奥歯の奥に違和感や圧迫感を覚えたら、早めに歯医者へ受診することが大切です。レントゲンで状態を確認することで、抜歯が必要か、経過観察でよいかを判断できます。痛みが出てから放置すると、隣の歯のむし歯や歯ぐきの腫れにつながるおそれもあります。
親知らずに関するお悩みがある方は、和歌山県岩出市の歯医者 はたなか歯科クリニックまでお問い合わせください。
監修
はたなか歯科クリニック 院長 畑中 昭彦
経歴
1976年11月 和歌山県和歌山市出身
2001年3月 朝日大学歯学部 卒業
2001年4月 和歌山県立医科大学附属病院 歯科口腔外科 勤務(研修医期間を含む)
2004年4月 日本赤十字社和歌山医療センター 歯科口腔外科 勤務
2006年1月 はたなか歯科クリニック 開院
2023年3月 歯学博士(岩手医科大学医療工学講座)
2024年5月 和歌山県立医科大学歯科口腔外科学講座博士研究員
所属学会・スタディーグループ
日本口腔外科学会(2001年より)
日本口腔インプラント学会(2003年より)
日本抗加齢医学会
日本臨床歯科CADCAM学会
日本歯科理工学会
日本接着歯学会
岩手医科大学医療工学講座研究生
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