ふとした瞬間に感じる顎の奥の違和感や噛んだときの痛み。もしかするとその原因は、親知らずにあるかもしれません。親知らずは20代以降に生えてくることが多く、生え方や位置によっては噛み合わせに影響を及ぼすことがあります。これまで問題なかったはずの歯が急に痛み出すこともあり、「原因がはっきりせず不安」という声も少なくありません。今回は、親知らずが噛み合わせに与える影響や、痛みが強くなる前にできる対処法について解説します。
1. 親知らずが原因で噛み合わせに影響が出る場合
親知らずは、永久歯の中で最も後ろに位置する奥歯で、上下左右合わせて4本あるのが一般的です。ただし、生え方には個人差が大きく、まっすぐ正常に生えるケースばかりではありません。親知らずが噛み合わせに影響する主な理由は次のとおりです。
①中途半端な位置に生えている
親知らずが斜めに傾いていたり、歯ぐきから一部しか出ていない場合、噛み合わせのバランスが崩れやすくなります。その結果、特定の歯に余計な力がかかってしまい、噛むたびに痛みや違和感を感じることがあります。
②噛み合わせの高さが合っていない
親知らずが上の歯と下の歯で適切に噛み合っていないと、あごにかかる力のバランスが崩れて周囲の筋肉や関節に負担がかかる場合があります。その結果、あご周辺に違和感を覚えたり、頭が重く感じられることもあるとされています。
③周囲の歯を押すことで歯並びが変わる
親知らずが横向きに生えてくると、前方の歯を押して全体の歯並びに影響を与える可能性があります。その影響で噛み合わせの位置がずれ、慢性的な痛みや不快感が出る場合もあります。
こうした状態を放置すると、痛みだけでなく、歯やあごへの負担が長期化するおそれもあるため、早めの対応が重要です。
2. 親知らずの痛みが強くなる前にできる対処法
噛み合わせに違和感を覚えたり、親知らず周辺に痛みを感じ始めたら、悪化する前にできる対処がいくつかあります。放置せず、以下の方法を参考にしてみましょう。
①歯科医院での診察・レントゲン撮影
まずは口腔内を確認し、親知らずの位置や向き、周囲の歯への影響を正確に把握することが重要です。レントゲンやCTなどの画像診断を行うことで、肉眼では見えない部分の状態まで把握できます。
②一時的な咬合調整
痛みが噛み合わせのズレに関係している場合、歯科医師が噛み合わせのバランスを確認し、必要に応じて歯をわずかに調整することがあります。これにより、一時的に負担が軽減されるケースもあります。
③歯ぎしり・食いしばりへの対処
無意識に歯を強く噛みしめていると、噛み合わせの違和感や痛みが増すことがあります。ナイトガード(マウスピース)の使用や、ストレスを減らす生活習慣の見直しが症状の緩和につながる場合があります。
④親知らず周囲の清掃を徹底する
炎症によって痛みが出ている場合は、丁寧なブラッシングや抗菌性のある洗口液を使用することで、清潔な環境を保ちやすくなります。結果として、歯ぐきの腫れや不快感の改善に役立つこともあります。
⑤痛み止めの服用(歯科医師の指導のもと)
一時的に市販の鎮痛薬を使用して痛みを抑えることは可能ですが、継続的な症状がある場合は自己判断せず、早めに専門の診断を受けることが大切です。
これらの対処法は一時的な緩和を目的としたものであり、根本的な原因を突き止めて適切に対処するためには、歯科医師による診察が欠かせません。違和感が続く場合は、できるだけ早めに相談するようにしましょう。
3. 親知らずの抜歯を検討すべきサイン
親知らずは必ずしもすべて抜歯が必要というわけではありませんが、生え方や周囲の状態によっては、早めの対応が求められることもあります。特に次のようなサインがある場合は、歯科医院での相談を検討しましょう。
①噛むたびに痛みや違和感がある
親知らずが正しく機能せず、噛み合わせのバランスを乱している可能性があります。このまま放置すると慢性的な不快感につながることがあるため、早めの対処が重要です。
②歯ぐきが繰り返し腫れる・赤くなる
親知らずの周囲に炎症がでたとき、清掃が不十分になりやすく、細菌がたまりやすい環境となるため、一度落ち着いても繰り返し炎症が起こる可能性があります。将来的に歯の健康を損なうリスクもあるため注意が必要です。
③前歯が押されているように感じる
親知らずの圧力で歯列に影響が出ていると感じる場合は、歯並びの変化につながることがあります。違和感を感じた段階で、専門的な判断を仰ぐことが大切です。
④口が開きにくい・あごに重だるさがある
あごの筋肉や関節に負担がかかっている場合、親知らずの状態が影響している可能性があります。口の開閉に違和感があるときは、無理をせず歯科医師との相談を検討しましょう。
⑤親知らずのむし歯や隣接歯への影響がある
親知らずが磨きにくい位置にあると、汚れがたまりやすくなり、周囲の歯がむし歯になってしまう場合があります。早めに歯科医院に行って状況を確認しましょう。
これらの症状がある場合は、歯科医院での診察とレントゲンなどによる評価を受け、抜歯を含めた今後の治療方針について歯科医師と相談することが大切です。自己判断に頼らず、専門的な視点からの診断を受けるようにしましょう。
4. 和歌山県岩出市の歯医者 はたなか歯科クリニックの口腔外科・親知らず抜歯治療
和歌山県岩出市の歯医者 はたなか歯科クリニックでは、歯科医療を通じて地域の方々の健康に少しでも貢献し、和歌山県岩出市の皆さんのかかりつけの歯医者になることを目指し口腔外科(親知らず抜歯や顎関節症治療・インプラント治療など)を実施しています。
【岩出市の歯医者 はたなか歯科クリニックの口腔外科治療】
①大学病院で培った経験豊富な院長が行う専門的な口腔外科治療
院長は和歌山県立医科大学附属病院・歯科口腔外科での勤務経験があり、口腔外科領域の診療経験を活かした治療を行っています。親知らずの抜歯や顎関節症、のう胞・腫瘍への対応など、専門性の高い症例にも対応できる体制が整っており、重症例は大学病院等とのスムーズな連携も可能です。
②親知らずの抜歯やのう胞などの幅広い症例に対応
顎関節症の保存療法から、口腔粘膜疾患のレーザー治療、金属アレルギーへのメタルフリー対応、消炎・切開処置まで、外科的対応が必要な多岐にわたるお口のトラブルを院内で診療。患者さんの症状や生活背景に応じた柔軟な治療提案が可能です。
③顎関節症や口腔粘膜疾患にも配慮した、痛みに配慮した低侵襲治療
レーザー治療の導入や、マウスピース療法・生活習慣指導などの保存的治療にも注力。なるべく身体的・精神的な負担を抑えた治療を大切にしており、初期段階での早期対応による回復促進と再発防止に力を入れています。
▼和歌山県岩出市の歯医者・歯科 はたなか歯科クリニックの口腔外科治療はこちら
まとめ
噛んだときの痛みや口が開けにくい症状は、親知らずの状態が影響している可能性があります。生え方や位置によっては噛み合わせが乱れ、周囲の歯やあごに負担をかけることもあるため、早めの確認と対処が大切です。症状が進行する前に、歯科医師への相談を検討しましょう。
和歌山県岩出市周辺で親知らず抜歯や顎関節症治療の歯医者・歯科をお探しの方は、ぜひはたなか歯科クリニックまでご相談ください。
監修
はたなか歯科クリニック 院長 畑中 昭彦
経歴
1976年11月 和歌山県和歌山市出身
2001年3月 朝日大学歯学部 卒業
2001年4月 和歌山県立医科大学附属病院 歯科口腔外科 勤務(研修医期間を含む)
2004年4月 日本赤十字社和歌山医療センター 歯科口腔外科 勤務
2006年1月 はたなか歯科クリニック 開院
2023年3月 歯学博士(岩手医科大学医療工学講座)
2024年5月 和歌山県立医科大学歯科口腔外科学講座博士研究員
所属学会・スタディーグループ
日本口腔外科学会(2001年より)
日本口腔インプラント学会(2003年より)
日本抗加齢医学会
日本臨床歯科CADCAM学会
日本歯科理工学会
日本接着歯学会
岩手医科大学医療工学講座研究生
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