親知らずは大人の奥歯のさらに奥に生える永久歯で、通常は10代後半から20代前半にかけて生えてきます。しかし「親知らずは全員にあるのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。実は、親知らずは必ずしも全員にあるわけではなく、生えてこない人や存在しない人もいます。また、親知らずはあるけれど、歯ぐきに埋まったままのこともあります。
今回は、親知らずが生えない人の特徴や、歯医者での確認方法について解説します。
1. 親知らずは全員にあるの?親知らずが生えない理由と生え方のタイプ
親知らずは第三大臼歯とも呼ばれ、永久歯の中で最後に生える歯です。しかし、全員がそろうわけではありません。以下に、親知らずが生えない理由と生え方のタイプを挙げます。
①遺伝や歯の芽の有無
親知らずが生えない理由のひとつに遺伝があります。親や祖父母に親知らずがなかった場合、その子どもにも存在しない場合があります。また、そもそも歯の芽(歯胚:しはい)が最初から作られていないこともあり、この場合は一生涯生えることはありません。
②顎が小さくスペースがない
現代人は昔に比べて顎が小さい傾向があり、奥歯が並ぶ十分なスペースが確保できないことがあります。その結果、親知らずが骨の中に埋まったまま出てこないケースがあります。
③斜めや横向きに生える
生える方向が正しくない場合、斜めや横を向いた状態で成長します。一部だけが顔を出すことも多く、歯みがきがしにくいため、むし歯や歯ぐきの炎症につながりやすい特徴があります。
④完全に埋まっている
親知らずが歯ぐきの下に完全に隠れていることもあります。痛みなどの症状がなくても、レントゲンで埋伏歯(まいふくし)として確認されることがあります。
⑤上下左右がそろわない
親知らずは4本すべてが生えるわけではなく、片側だけや上下のどちらかのみ生える場合もあります。
このように、親知らずは全員にあるわけではありません。遺伝や顎の大きさ、生える方向などが影響するため、自分での判断は難しく、歯医者で確認することが大切です。
2. 親知らずがあるかどうかを歯医者で確認するには
親知らずの有無は、自分で鏡を見てもはっきりとは分かりません。歯医者で確認する方法が最も確実です。
①口の中の視診
歯医者ではまず、口腔内を直接目で見る「視診」によって親知らずの有無を確認します。奥歯のさらに奥に白く見える歯があれば、それが親知らずの可能性があります。
②レントゲン撮影
親知らずの有無や位置、傾きなどを正確に把握するには、レントゲン撮影が必要です。特に、歯ぐきの中や骨の中に埋まっている「埋伏歯(まいふくし)」は、レントゲンを撮らなければ発見できません。歯ぐきの下に埋まった親知らずや、斜めに傾いた歯も確認できます。
③CT撮影
親知らずが神経に近い位置にある場合や、抜歯の難易度を判断する際には、CT(3次元撮影)を行うこともあります。立体的な位置関係を確認できるため、抜歯の必要性やリスクを詳しく判断できます。
④歯科医師による総合的な判断
視診・レントゲン・CTなどの検査結果を総合的に判断し、親知らずの有無だけでなく、生え方や周囲の歯・組織への影響なども含めて説明を受けます。抜くかどうかは歯科医師と相談しながら決めていくことになります。
親知らずの有無を正確に知るためには、歯医者でのレントゲン検査が欠かせません。痛みがなくても、早めに検査を受けておくことが大切です。
3. 生えていない親知らずは問題になるのか
親知らずが生えていない場合でも、必ずしも問題があるわけではありません。ただし、埋まったままや一部だけ生えているケースでは注意が必要です。以下に考えられるリスクや注意点を整理します。
①隣の歯への影響
親知らずが横向きに埋まっていると、隣の歯を強く押すことがあります。その結果、歯並びが乱れたり、奥歯に強い負担がかかることがあります。
②むし歯のリスク
一部だけ顔を出した親知らずは、歯ブラシが届きにくいためむし歯になりやすい状態です。さらに隣の歯までむし歯になるケースも少なくありません。
③歯ぐきの炎症
歯ぐきの奥に親知らずが半分埋まっていると、食べかすや細菌がたまりやすくなります。その結果、炎症や腫れを繰り返し、口が開けにくくなることもあります。
④嚢胞(のうほう)の可能性
埋まった親知らずの周囲に袋状の病変(嚢胞)ができることがあります。大きくなると顎の骨を圧迫することもあるため、歯科での定期的なチェックが必要です。
⑤必ずしも抜歯が必要とは限らない
埋まったままでも症状がなければ、そのまま経過観察とされることもあります。抜歯の必要性は、歯の向きや周囲への影響を踏まえて歯科医師が判断します。
このように、生えていない親知らずは問題が出ない場合もありますが、将来のトラブルを予防するために歯医者での確認が重要です。
4. 和歌山県岩出市の歯医者 はたなか歯科クリニックの口腔外科・親知らず抜歯治療
和歌山県岩出市の歯医者 はたなか歯科クリニックでは、歯科医療を通じて地域の方々の健康に少しでも貢献し、和歌山県岩出市の皆さんのかかりつけの歯医者になることを目指し口腔外科(親知らず抜歯や顎関節症治療・インプラント治療など)を実施しています。
【岩出市の歯医者 はたなか歯科クリニックの口腔外科治療】
➀大学病院で培った経験豊富な院長が行う専門的な口腔外科治療
院長は和歌山県立医科大学附属病院・歯科口腔外科での勤務経験があり、口腔外科領域の診療経験を活かした治療を行っています。親知らずの抜歯や顎関節症、のう胞・腫瘍への対応など、専門性の高い症例にも対応できる体制が整っており、重症例は大学病院等とのスムーズな連携も可能です。
➁親知らずの抜歯からのう胞・腫瘍まで幅広い症例に対応
顎関節症の保存療法から、口腔粘膜疾患のレーザー治療、金属アレルギーへのメタルフリー対応、消炎・切開処置まで、外科的対応が必要な多岐にわたるお口のトラブルを院内で診療。患者さんの症状や生活背景に応じた柔軟な治療提案が可能です。
➂顎関節症や口腔粘膜疾患にも配慮した、痛みに配慮した低侵襲治療
レーザー治療の導入や、マウスピース療法・生活習慣指導などの保存的治療にも注力。なるべく身体的・精神的な負担を抑えた治療を大切にしており、初期段階での早期対応による回復促進と再発防止に力を入れています。
▼和歌山県岩出市の歯医者・歯科 はたなか歯科クリニックの口腔外科治療はこちら
和歌山県岩出市周辺で親知らず抜歯や顎関節症治療の歯医者・歯科をお探しの方は、はたなか歯科クリニックまでご相談ください。
まとめ
親知らずは全員にあるわけではなく、生えない人や隠れたままの人もいます。遺伝や顎の大きさ、生える方向が関係しており、自分では判断が難しいのが特徴です。レントゲンやCTを用いた歯医者での確認が確実であり、生えていない場合でも隣の歯や歯ぐきに悪影響を及ぼすことがあります。早めに状態を把握しておくことで、将来的なトラブルを未然に防ぐことが期待できます。
和歌山県岩出市周辺で親知らずについて不安がある方は、和歌山県岩出市の歯医者、はたなか歯科クリニックまでお問い合わせください。
監修
はたなか歯科クリニック 院長 畑中 昭彦
経歴
1976年11月 和歌山県和歌山市出身
2001年3月 朝日大学歯学部 卒業
2001年4月 和歌山県立医科大学附属病院 歯科口腔外科 勤務(研修医期間を含む)
2004年4月 日本赤十字社和歌山医療センター 歯科口腔外科 勤務
2006年1月 はたなか歯科クリニック 開院
2023年3月 歯学博士(岩手医科大学医療工学講座)
2024年5月 和歌山県立医科大学歯科口腔外科学講座博士研究員
所属学会・スタディーグループ
日本口腔外科学会(2001年より)
日本口腔インプラント学会(2003年より)
日本抗加齢医学会
日本臨床歯科CADCAM学会
日本歯科理工学会
日本接着歯学会
岩手医科大学医療工学講座研究生
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